剣道では、「一眼二足三胆四力」と言われるほど、足さばきが大事です。
剣道を始めて真っ先に教わるのが足さばきですが、足さばきは最も基本的な技術であると同時に、奥義とすら言える側面も持っています。
試合を見ていればわかるかと思いますが、剣道上級者になればなるほど足さばきが上手い傾向にあります。
とは言え、一言で足さばきと言っても多種多様です。
そこで今回は、剣道の足さばきの中から、左足の使い方に注目して話させて頂きます。
蹴り足としての左足
剣道における基本的な構えは、中段です。
中段では右手と右足を前にして構えることがほとんどなので、左足は蹴り足として使われます。
要するに左足は、剣道における推進力を生み出す役割を担っているのです。
それゆえに、この左足を上手く使うことが出来れば、鋭い踏み込みが可能であり、それだけでも相手にプレッシャーを与えることが出来ます。
それでは、どうすれば左足を上手く使えるかですが、意識するべきは重心です。
剣道において重心の位置は非常に大事で、常に前後左右どちらにでも動ける体勢を作らなければなりません。
そして中段では、左足に7割、右足に3割の体重を乗せて、重心は左右の足の真ん中に置くようにしましょう。
これによっていつでも相手に向かって踏み込むことが出来る上に、どの方向にでも瞬時に動くことが可能です。
攻撃する意識が強過ぎるとついつい前屈みになりがちですが、これは逆効果だと言えます。
前屈みになっていると言うことは重心も前にある為、踏み込む際に一瞬溜めが必要になるのです。
その時間は僅かかもしれませんが、剣道の試合においてはその僅かが勝敗を決することも度々起こり得ます。
更に、左足に多めの体重を乗せておくと、相手の攻撃にも対処し易くなります。
対処に余裕が出来れば応じ技にも繋げ易いので、結果として勝利が近付くと言えるでしょう。
蹴り足を鍛えるには
左足の重要性と使い方は上記の通りですが、当然ながら鍛錬を積まなければなりません。
技術面をいくら練習したところで、身体能力が足りていなければ、その成果を十全には発揮出来ないでしょう。
剣道の踏み込みはほとんど全体重を左足だけで蹴り出すので、相当な筋力と瞬発力が求められます。
そこで有効な鍛錬方法ですが、真っ先に思い付くのは短距離ダッシュです。
陸上の短距離走のようにクラウチングスタートの体勢を取り、左足で蹴り出すようにしましょう。
ここでのポイントはスタートであり、その後のスピードや距離は軽くて構いません。
何度も繰り返してこのスタートを練習することで、左足で蹴り出す感覚と筋力、瞬発力を鍛えることが出来るのです。
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