剣道の足さばきと素振りの重要性

世界中には様々なスポーツや武道が存在しますが、恐らくその全てに共通しているのは「基本が大事」だと言うことです。

更に言えば、芸術や仕事、人間関係すら基本的なことが出来ていなければ、その先はないと言えます。

それほど基本と言うモノは大事であり、何をするにしても真っ先に習得するべきです。

剣道においてもそれは同じで、基本である足さばきや素振りが満足に出来なければ、応用技の練習をしても身に付きません。

むしろ変な癖が付いて、矯正が難しくなる可能性すらあるでしょう。

無論、基本だけをしていれば良いと言う訳でもありません。

大事なのは、基本をマスターした上で、次のステップに進むと言うことです。

これが出来れば、その分野で一流と呼ばれるのも夢ではないでしょう。

そこで今回は、剣道の基本かつ肝とも言える、足さばきと素振りについて話させて頂きます。

剣道の中軸は足さばき

剣道経験者ならわかると思いますが、足さばきは入門して真っ先に練習します。

これは足さばきが剣道の基本だからですが、その一方で非常に重要な練習でもあります。

足さばきの練度が高い人と低い人では、全くと言って良いほど動きに差が生まれます。

攻撃においても守備においても、間合いの取り方が大事なのですが、足さばきが拙ければこの駆け引きで後手に回ってしまうのです。

剣道の足さばきは大きく分けて、四種類あります。

一つは歩み足です。

これは特に変わったことはなく、普段と同じ歩き方です。

剣道で用いるとすれば、相手選手との距離が開いているときに素早く動くときでしょう。

二つ目は送り足です。

簡単に言えば、進行方向に近い方の足を先に動かして、もう一つの足をそこに近付けるような足さばきです。

例を挙げるなら、左に動きたいときは左足をまず動かして、それから右足を引き寄せるようなやり方です。

送り足のポイントは、いかに小さく速く動けるかです。

すり足で水平移動するコツでもありますし、連続技をスムーズに繰り出す際にも有効です。

三つ目は継ぎ足です。

後足を前足の傍まで引き付けて、その勢いを乗せた打突を放つことが出来ます。

このとき大切なのは、後足を寄せたときに重心変えないようにすることでしょう。

勢いを付けようとすると前屈みになってしまいがちですが、それでは相手にばれてしまいます。

それゆえ、継ぎ足では重心を変えないように気を付けて、相手に悟らせず行いましょう。

最後の一つは開き足です。

これは、体を左右に展開するときに使用される足さばきです。

ここで意識するのは、足だけで動くのではなく腰を使って左右に体を捌くことです。

開き足をスムーズに出来るようになれば、体ごと向きを変えることが可能なので、相手の攻撃を躱したり多角的な攻撃を仕掛けることも可能です。

上記の足さばきを普通に歩くのと同じレベルで会得すれば、剣道の質は劇的に上昇するでしょう。

素振りの重要性とは?

剣道の基本と言えば、足さばきに並んで素振りが挙げられるでしょう。

そして、剣道初心者が嫌いになる練習の有力候補でもあります。

それ自体はある意味仕方ないかとも思いますが、素振りの重要性をしっかりと理解出来れば、取り組み方にも違いが出来るのではないでしょうか。

道場によって独自の素振りを取り入れていることもありますが、その中でも基本的な素振りをいくつかご紹介します。

一つは、上下素振りです。

言葉通り竹刀を上下に動かす素振りですが、振り上げるときは上段の構えまで上げて、振り下ろすときは膝の高さまで下ろします。

注意点は、振り上げるときに剣先が下がらないようにすることでしょう。

もし剣先が下がっているようなら、左手の小指が緩んでいる可能性があるので、一度確認してみて下さい。

二つ目は、正面素振りです。

振り上げるときは上下素振りと同じですが、振り下ろしの位置を面の高さで止めましょう。

ただし、面の高さで竹刀を止めるとなると、無駄な力が入ってしまうことになります。

そうなると実際の試合で面打ちが軽くなってしまうかもしれませんので、意識としては面の高さよりも少し下辺りを狙う方が良いです。

三つ目は、斜め素振りです。

斜め素振りとは、左右の面を交互に打つ素振りのことを言います。

この素振りのポイントは、振り上げる竹刀の軌道です。

左右どちらの面を打ったときも、打った軌道と全く同じ軌道で振り上げて下さい。

少し考えればわかることですが、試合で相手の右面を打ったときは、反動でそのまま跳ね上がることになります。

それゆえ、素振りのときからその癖を付けておく必要があるのです。

上記の他にも数多くの素振りの練習方法はありますが、その全てに共通しているのは、単なる準備運動ではなく、試合を想定してしっかりと打つことを心掛けなければならないことです。

同じ数の素振りをしようが、何なら何倍もの回数をこなそうが、意識の仕方一つでその意味合いは全く異なります。

実際に相手がいるように素振りすることで、その後の応用練習や対人練習に活きてくるのです。

辛く地味な練習だと言うことは重々承知していますが、どれだけ真剣に取り組めるかが大事だと言うことを忘れないで下さい。






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