剣道で強くなるには竹刀の扱い方を練習することが必須ですが、それと同等以上に足さばきが大事なのです。
剣道に携わっている人なら聞いたことがあるかもしれませんが、剣道では「一眼二足三胆四力」と言われ、足さばきは二番目に大事だと言うことです。
しかし実際には、足さばきの重要性を正確に認識出来ていない人もおり、そのような人たちはやはり伸び悩んでしまいます。
そこで今回は改めて足さばきの重要性を説き、上達する為のコツをお教えしたいと思います。
全ての源が足さばき
剣道において足さばきは、基本であると同時に極意でもあります。
剣道を始めたばかりの初心者はまずこの足さばきを教えられると思いますが、そこでどれだけ真剣に打ち込めるかによって、その後が大きく変わってくるでしょう。
指導者はその重要性をしっかりと教え、進んで練習に取り組むように導いて下さい。
それでは何故足さばきの重要性が高いかですが、端的に言えば攻守においてスムーズに動けるからです。
上級者になればなるほど足さばきが見事で、素早い動きを可能としているのです。
攻撃するにしろ守るにしろ、スムーズに動けた方が良いのは当然ですね。
前後、左右、斜めと、多彩な動きを俊敏に出来る足さばきを身に付ければ、確実に剣道が上達すると言えるでしょう。
動けば良いと言う問題でもないですが、動けるのと動けないのとでは戦術に大きな差が生まれます。
動き過ぎて失敗したのであればその修正をすれば良いですが、動けずに失敗したときは動けるようにならないと解決出来ません。
ですから、まずは徹底的に足さばきを練習して、剣道の幅を広げましょう。
足さばきの基本はすり足
上記では足さばきの重要性を話しましたが、ここでは具体的なコツを取り上げたいと思います。
そして最初に覚えておいて欲しいのは、現代の剣道における足さばきの基本はすり足だと言うことです。
すり足がどう言うモノかと言うと、足裏を極力床から離さないように、擦るくらいのつもりで動く足さばきです。
その中でも特に重要となるのが送り足で、これを正しく行うには3つのポイントを押さえる必要があります。
一つは、とにかく常に平行移動を心掛けること。
もう一つは、細かい動作で小さく速く動くこと。
最後の一つは、前足を後足が追い越さないようにすることです。
特に注意しなければならないのは、平行移動でしょう。
平行移動を保つとは、頭や肩が上下せず、剣先を動かさないようにする、と言うことです。
イメージとしては、歩くのではなく滑るような感覚です。
上級者の送り足を見ていると、上半身はほとんど動いていないことがわかると思います。
この平行移動を上手くする為には、二つ目のコツでも言ったように細かく動かなければなりません。
一歩が大きくなるとどうしても頭や肩が上下してしまいますし、相手に動きを悟られてしまいます。
また、動いた状態から打てる体勢に戻るまでに時間が掛かるので、その観点からも歩幅を広げるのは危険です。
とは言え、細かく動けるだけではまだ不十分です。
強くなりたいなら、細かく『速く』動けるようになりましょう。
ではどうすれば速く動けるかですが、強豪校などが取り入れている効果的な練習があります。
それは、ラダートレーニングです。
本格的なラダーを購入するのは大変かもしれませんが、新聞紙やテープを利用することで安価に用意することが出来ます。
ラダーを使ったトレーニング方法は多種多様で、独自の方法を考えるのも良いでしょう。
最後に、稽古で自分より上手い人の練習を見る機会があれば、足さばきを重点的に見るようにして下さい。
そして自分と何がどう違うかを分析し、どう改善するかを考えましょう。
どれだけ竹刀の扱いが上達しようと、足さばきが拙ければ上達出来ません。
それほど、足さばきが大事だと言うことを覚えておいて下さい。
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